愛犬を土葬にする際の方法と注意点。

この記事の目次

土葬の方法

愛犬の遺骸を埋める土葬。

自分の土地に埋める場合は問題はなのですが、他人の土地や公共の場に埋めることは軽犯罪法（1条27号）に抵触します。
法律に定められている、「公共の利益に反してみだりにゴミ、鳥獣の死体その他の汚物または廃物を棄てた者」という部分に該当し、ゴミの不法投棄と同じく犯罪とみなされます。

私有地であれば、「公共の利益に反する」ことにはならず、自己所有の私有地であれば大丈夫です。
ただ、土地は売却や譲渡などで他人の手に渡る場合のことも考えておきましょう。

愛犬を安全に土葬するためには、土葬を丁寧におこなわなければいけません。
私有地（自宅の庭等）に土葬する場合でも以下の点に気をつけて、愛犬を丁寧に埋葬してあげましょう。

愛犬の土葬を行う場合、以下のようなものがあると便利です。

●綿や麻100%のタオル
●シャベル
●軍手
●手向け用の花束
●墓標用の板

基本的には「あれば便利だな」と思うものを準備しましょう。

遺骸は独特の匂いが発生します。
人の約数百万倍の嗅覚を持つ野生の動物、タヌキやカラス、野良猫などが匂いを嗅ぎ付け掘り返したり、虫が湧いて地表に出てくる場合もあります。

また、自分の所有する土地に土葬しても、周囲に悪臭を発生させたり、水源を汚染させたりすると、民法７０９条の不法行為責任として損害賠償を請求されることがあるので注意しましょう。

穴の深さは最低でも1ｍは掘り、埋葬したあとはこんもりと土を盛っておきましょう。

実際、我が家の池の鯉を埋葬した時、深さが足りずに掘り返されてしまいました。

埋める際に、ペットの遺体は木綿や絹など、100パーセント自然素材のタオルなどの布で包んでください。

ポリエステルなど化繊のものは土に還りにくいので、必ず100パーセント自然素材のものを使用します。
ビニールに入れたり、化繊製のシートに包むのはやめましょう。
土にも還りにくく、湿気を中に封じ込めてしまう恐れがあるからです。

愛犬が好きだったおもちゃも一緒に埋めてあげる場合も、土に還りにくい素材のもは避けましょう。

土はこんもりと高く盛り上げるように埋め戻します。
土を固めながら埋めても、時間が経つと下へ下へと下がり減っていってしまうため、凹みを作らないようにあらかじめ余分に土を盛っておくことが大切です。

掘った後は墓標に名前を書いて立ててあげるとよいかもしれません。

土葬する時の注意点やポイントがいくつかあります。

土葬した遺体はすぐには土には帰りません。
条件などがうまく揃えば、土の中でミイラ化してキレイな姿のまま長い時間残ることもありますが、土に還るには数十年（60年ほど）の時間がかかるといわれ、その間、周りの土を弄ることは厳禁とされています。

土地は譲渡や売却で他人の手に渡る可能性があり、新しく土地に移り住んできた方が、家庭菜園をしたり増築工事で掘り返す可能性があります。

愛犬を土葬した場合はそういったリスクがあることも知っておきましょう。

火葬をしてから遺骨を埋葬する方法もあります。
この方法ならば、想い出の場所に埋葬してあげることが出来ます。
野生動物に掘り起こされる恐れや、臭いなど周辺環境への心配もありません。
また、土地を譲渡・売買した際にも、掘り返されて遺体が見つけられてしまうリスクが抑えられます。

火葬は費用がかかってしまうため、予算やご自身のライフスタイルなどと合わせて考えるとよいでしょう。

石灰には、有機物の分解を促進させる効果があります。
また、殺菌効果も持っているので、遺体が土の中で腐敗したときに発生する有害物質などの発生を防止することができます。

石灰はホームセンターなどで手に入りやすく、
余ってしまっても家庭菜園や園芸などで応用できます。

ペットの安眠のためにもセルフチェックをおこなってみましょう。

◆ 辺の水場や畑などに汚染の心配はないかを確認

◆ 埋葬場所に配管や基礎がないかを確認

◆ 水はけの悪いところや風雨に浸食されやすい場所は避ける

◆自宅敷地内に埋める

◆ 埋葬可能な大きさの犬や猫ならば1m～2mの深さに埋める

愛犬が他界した時、やっておくべきこととは？

家族の一員として長い時間を一緒に過ごしてきた愛犬。
その葬送方法としての一つとして土葬をご紹介しました。

費用もかからず、変わり果てた姿を目にすることなく生きていた姿のまま埋めることが出来る土葬を選択したとしても、埋めて終わりではありません。
土に還るまで十数年という長い時間を要し、埋葬するにはいろいろな問題も発生します。

リスクや手間などを考えたうえで、愛犬が安眠できるよりよい環境でお見送りしてあげましょう。