2025年、日本の教育現場を根底から揺るがす事件が明るみに出ました。
女子児童の盗撮やわいせつ画像をSNSで共有し合い、互いに称賛し合っていた現役小学校教員グループ――その中心人物たちは、社会や保護者、同僚に“完璧な仮面”を被って接しながら、裏では常軌を逸した犯罪行為を組織的に繰り返していました。
文春有料記事や複数の報道から、彼らがいかに周囲を欺いてきたのか、その「表の顔」の実態に迫ります。
教育現場に潜む“理想の教師像”
事件の主役となった森山勇二(もりやま ゆうじ)容疑者、小瀬村史也(こせむら ふみや)容疑者、水藤翔太(すいとう しょうた)容疑者。彼らはいずれも、周囲から高い評価を受けていた“理想の教師”でした。
森山勇二――「熱血で親身な主幹教諭」
森山ゆうじ容疑者は名古屋市立小坂小学校の主幹教諭。校長・教頭に次ぐナンバー3の要職で、学校運営や教員指導の中心的役割を担っていました。
保護者や同僚からは「教育熱心で親身」「子ども思いの先生」と評され、学校行事の撮影係や「学校だより」作成担当としても信頼を集めていました。
保護者の証言には
など、極めてポジティブなものが並びます。
校長も
と、その優秀さを認めていました。
グループの「開設者」であり「管理者」だった森山は、新潟県で青春時代を過ごしている。新潟南高校の同級生が回想する。
「彼は住宅金融公庫(当時)の融資住宅に母親と住んでいて、あまり多くの人とは付き合わないタイプの人間だった。高校を卒業後、愛知教育大学に進学。学生時代に知り合った同級生の女性と大学卒業後に結婚し、婿養子に入った。だから昔は名字が違ったんです」
妻も小学校の教員として働いており、子どもも3人いるという。
~週刊文春より
小瀬村史也――「明るく人気者の学年主任」
横浜市立本郷台小学校の小瀬村ふみや容疑者は、学年主任として責任ある立場にありました。
明るく社交的で、フットサルなどのスポーツ活動でも「陽キャ」として知られ、「普通の先生」「誰からも好かれる人気者」と評判。
知人男性は
「クラスの人気者のようなタイプ」
と証言し、保護者からも
横浜市教育委員会も「勤務態度等で特段問題となることはなく、いたって『普通の先生』と聞いている」とコメントし、彼の「裏の顔」を誰も見抜けなかったことがわかります。
元教え子の女性はこう語る。
「明るくて運動神経がよくて皆から人気でしたけど、私にとっては嫌な先生でした。私が小学5年生の頃、友達と悪ふざけばかりしていたら、ある日、自習の時間に友達と一緒に呼び出されたんです」
その場で小瀬村は突然大声をあげて激高し始めたという。
「お前ら、どういうことだ! 何度言ったら分かるんだ!」
女性が続ける。
「物凄い勢いで怒り続け、最後は思いっきり椅子を蹴り飛ばしたんです。幸い、その椅子が私たちに当たることはありませんでしたが、それ以来、小瀬村先生は私たちを避けるようになり、目すら合わせてくれなくなった。それなのに見た目が可愛い女の子には優しく接していて、そのギャップに恐怖を感じました」
~週刊文春より
水藤翔太――「教育一家の真面目な青年」
すいとうしょうた容疑者は名古屋市立御劔小学校の元教諭。教育者の家庭に育ち、明るく社交的な性格で周囲から「真面目で明るい青年」と見られていました。
彼もまた、保護者や同僚から信頼される存在であり、日常的な振る舞いに疑いの目を向けられることはありませんでした。
教師としての評判も上々だった、水藤が勤務していた小学校の保護者が語る。
「明るくて元気で、とにかくいい先生に見えていましたよ。男の人なのに学芸会でピアノを弾いて、子ども達から『すごいね!』って言われていて。当時は若くて子ども達とも年齢が近いから『喋りやすいお兄ちゃん』みたいな感じでした」
教育委員会関係者は
「実のところ水藤は起訴後、学校に近づかないという約束で釈放されています。毎週決まった曜日に奥さんが病院に連れていき、再び性犯罪を起こさないよう面倒を見ているそうです」
と語っています。
~週刊文春より
裏の顔――組織的な性犯罪者としての実態
しかし、その仮面の下には、想像を絶する裏の顔が隠されていました。
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SNSグループでの犯罪ネットワーク
森山容疑者は教員限定の盗撮SNSグループの創設者・管理者として、全国の小中学校教員約10人を束ね、互いに女子児童の盗撮画像や動画を持ち寄っては「これはいいですね〜」「見入っちゃいます!」と称賛し合う“品評会”を主導していました。 -
職務権限の悪用
森山容疑者は「学校だより」や行事記録の撮影担当という立場を利用し、児童の写真を“正当な業務”を装って盗撮に悪用。
小瀬村容疑者もスマートフォンで児童の下着を盗撮し、積極的に画像を投稿していました。 -
異常な犯行のエスカレート
水藤容疑者は女児のリコーダーや給食に体液を混入させるなど、常軌を逸した行為にまで及び、事件の発覚のきっかけとなったのです。 -
グループ内での称賛と連帯
グループチャットでは「うらやましい」「いいですね」といったコメントが飛び交い、犯罪行為を互いに称賛し合う異常な文化が根付いたといいます。
完璧な仮面――なぜ誰も見抜けなかったのか
彼らの「表の顔」は、なぜこれほどまでに周囲を欺き続けることができたのでしょうか。
社会的信頼と評価システムの盲点
森山容疑者は「良き父」「模範教員」としての評価を利用し、犯罪行為を長年隠し通してきました。
主幹教諭という地位や「良き父」のイメージは、周囲の警戒心を解き、犯罪行為の発覚を遅らせる“完璧なカモフラージュ”として機能していたのです。
小瀬村容疑者も「明るく人気者」「誰からも好かれる先生」というイメージが、彼の犯行を容易にし、発覚を遅らせた最大の要因となりました。
集団心理と責任の拡散
SNSグループ内では「いいね」「うらやましい」といった肯定的なフィードバックが罪悪感を麻痺させ、「自分だけではない」という安心感を与えていました。
この集団心理が、個々の倫理観を崩壊させ、より過激な犯罪行為へとエスカレートさせる温床となっていたのです
教育現場の閉鎖性と監視の甘さ
学校という閉鎖的なコミュニティ、教員同士の強い結束、外部からの監視が行き届かない環境が、「モンスター」を長期間見過ごしてしまう一因となっていたのかもしれません。
保護者と社会に残した深い傷
森山容疑者や小瀬村容疑者は、家庭では「良き父」「信頼される夫」として振る舞いながら、外では児童を標的にした犯罪者でした。
このギャップは家族に計り知れない衝撃と苦しみを与え、社会的な非難や誹謗中傷、孤立、精神的ショック、将来への不安など、長期的な苦しみをもたらします。
事件発覚後、森山が勤めていた小学校では保護者説明会が開催されました。
2時間以上にわたり質問や怒りの声が相次ぎ、あまりのやるせなさに泣き出す保護者もいたといいます。
「どうやって子どもを守ればいいのか」
――教育現場への信頼は根底から崩壊し、保護者や児童の心に深い傷と不信感を残しています。
事件の本質――「仮面社会」の危うさ
この事件の本質は、教育者という「完璧な仮面」を被り、社会的信頼や職務権限を徹底的に悪用し、集団心理の中で犯罪を正当化し続けたことにあります。
SNSグループ内で互いの犯行を称賛し合うことで罪悪感が希薄化し、犯罪のエスカレートを招いていました。
まとめ――仮面の奥に潜む闇を見抜くために
変態教師グループの「表の顔」は、社会や保護者、児童からの信頼を集める“教育者の仮面”でした。しかし、その裏には、組織的かつ常習的な性犯罪者としての本性が潜んでいました。
この二面性が、教育現場への信頼を根底から崩壊させ、社会全体に深い不信感と警鐘をもたらしています。
今後、教員の採用や評価、人事制度の根本的な見直し、教育現場の倫理教育の再構築、そして外部からの監視体制の強化が求められています。
子どもたちの未来を守るために、私たちは「仮面」の奥に潜む闇を見抜く仕組み作りを社会全体で進めていく必要があるといえます。
愛知県警はグループチャットのログの復元、解析を更に進めており、画像や動画を投稿した残りの教員たちの特定を進めています。
うまく証拠が収集できれば、新たな逮捕者が続出することになるでしょう。
新たな情報がわかり次第、追記・修正していきます。