
2025年8月4日、韓国芸能界に大きな衝撃が走りました。
名助演俳優として知られ、人気ドラマ『花郎(ファラン)』『TRY』ほか多くの話題作で存在感を放ったソン・ヨンギュが、京畿道(キョンギド)龍仁(ヨンイン)市処仁(チョイン)区の車内で遺体となり発見されました。
華やかなキャリアとは裏腹に、飲酒運転摘発など苦悩の日々の末に迎えた突然の最期――。
本記事では、彼の波澤な人生と業績、そして読者が知りたい「なぜ彼はこうなったのか」という人間ドラマの全記録を詳しくたどります。
ソン・ヨンギュの基本プロフィール
本名:ソン・ヨンギュ(송영규/Song Young-Kyu)
生年月日:1970年4月18日
没年月日:2025年8月4日(享年55歳)
出身地:韓国・京畿道龍仁市
身長:183cm
体重:68kg
血液型:B型
学歴:ソウル芸術専門大学(現ソウル芸術大学)演劇学科卒業
デビュー:1994年 子供向けミュージカル『マーテル博士』
受賞歴:1988年大韓民国青少年演劇祭・優秀演技賞
華やかなキャリア――名バイプレイヤーの軌跡
学生時代から演劇の世界で高い評価を受け、1988年には青少年演劇祭で優秀演技賞を受賞。若くして頭角を現しましたが、下積みは長かったといいます。
1994年、子供ミュージカル『マーテル博士』でプロデビュー。以降、舞台を中心に地道な努力を重ね、2000年代からドラマや映画など映像作品への出演が増加していきます。
韓国コンテンツが拡大普及していく中で、ソン・ヨンギュはバイプレイヤー――すなわち“名脇役”として独自の居場所を築きました。
彼の強みは、実直な人格と誠実な仕事ぶり、そして圧倒的な演技力。ビジネスマン役から厳格な父親役、クセの強い上司・味方・敵役、時に温かく、時に冷徹な役柄まで幅広く演じ、複数の代表作で印象を深く残しています。
代表的な出演作
『花郎(ファラン)』
『ストーブリーグ』
『TRY』
『ハイエナ』
『ナルコの神』
『わたしの完璧な秘書』
『ペントハウス3』
映画『エクストリーム・ジョブ』チェ班長役
映画『天命の城』
2025年夏公開『大統領暗殺裁判 16日間の真実』(遺作となりました)
シーンごとに“空気感が変わる”とスタッフやファンから評されたことも。彼が出ることで作品全体が締まり、頼もしい存在として同業や若手俳優、制作陣から絶大な信頼を集めていました。
私生活――支え続けた家族の存在と苦悩
ソン・ヨンギュの私生活については
「家庭を大切にする男」
というイメージが強いですが、芸能人には珍しく、プライベートは徹底的に非公開。
40代半ばまでは長い下積み時代が続き、家族を養うプレッシャーも大きかったといいます。仕事が増え始めてからも「家族あっての自分」。
休日は家族で過ごし、子どもたちの学校イベントにも可能な限り参加していたというエピソードもあります。
一方で晩年は家庭での不和も報じられました。
との情報もあり、経済的苦境や仕事・家族のバランスに頭を悩ませる日々が続いていたようです。
飲酒運転摘発と急転した日常
2025年6月19日、知人との飲酒後、京畿道(キョンギド)龍仁(ヨンイン)市で約5kmを飲酒運転。摘発を受け、その際の血中アルコール濃度は0.08%超で免許取消し相当となりました。
社会的な批判は大きく、俳優生命の危機、そして出演中の複数の舞台やドラマの降板が相次ぎました
周囲も、
と証言。
事実、事件以降は新たな仕事が激減し、私生活・金銭面への影響も甚大でした。
キャリアの絶頂期であっただけに、世間の厳しい声と自己への失望感との板挟みで、心身ともに追い込まれる結果となってしまったのです。
突然の死去――自死か、という現実
2025年8月4日朝、龍仁(ヨンイン)市の住宅街路上、本人所有車内で死亡しているのを発見されました。現在司法解剖が行われていますが、周囲は事件性が低いとみており、自死の可能性が高いと報じられています。
飲酒運転報道以降、急激に精神状態が悪化していたとの証言も複数あり、
ことへの無念さが伺えます。
警察の聴取記録では「深刻なストレス」「周囲との断絶」「経済的困窮」も浮き彫りになっています。
ファンや同業者からのSNS投稿、追悼メッセージが相次ぎ、
「俳優としても人間としても惜しすぎる」
との声が社会にあふれています。
業界への影響と作品の現在
ソン・ヨンギュの出演予定だったドラマや映画は、急遽脚本変更やキャスト差し替えとなりました。
業界内外に与えた影響は大きく、名脇役不在の作品作りに戸惑いを隠せないスタッフも少なくありません。
映像作品での存在感の強さ、共演者・制作スタッフへの信頼感があらためて再認識されています。
まとめ――「ソン・ヨンギュという伝説」は永遠に
名声を得ながらも人知れず戦い続けた誠実な男、ソン・ヨンギュ。名優の歩んだ道には、華やかな表面だけでなく、家族や人生の困難、そして自責と絶望が隠されています。
俳優として「作品を支える柱」となった彼の功績は色褪せません。
最期を惜しむ声がこれだけ多いのは、芸能界に「人間ソン・ヨンギュ」が必要とされていた証なのでしょう。
私たちは、彼を通じて“名バイプレイヤーの強さと儚さ”“芸能界の厳しい現実”を知ることとなりました。その人生と言葉は、業界とファンの心に永遠に刻まれていくでしょう。